こんにちは。留学や仕事で海外へ旅行する際に必要なのが、出入国審査カードです。
このカードは自分がどのような人間で、どのような目的で渡航し、そしてどこに滞在するかを示す、自分を証明するための大切なカードになります。
レッスンの内容
渡航の目的を話す
出入国カードは英語で、Embarkation & Disembarkation Card といいます。基本的に国から国をまたぐときは、このカードをイミグレーションで提出しなくてはいけません。
しかしヨーロッパのシェンゲン協定国内を移動する時は必要なくなります。ですが、始めてシェンゲン協定国に入国し、そして出国する時には必要です。
また、カードの提出だけでなく、イミグレーションで口頭での質問もあります。英語が苦手な人にとってはとても緊張する瞬間です。
EUとシェンゲン協定
佐藤さんはEU国内の移動で、始めて知った事がありました。それはいったい?
会話
仕事でイギリスとフランスに来た佐藤さんのイミグレーションでの会話をみてみましょう。
Immigration officer: Next person, please.
入国審査官:次の人どうぞ。
Sato: Hello.
こんにちは。
Immigration officer: What brought you here?
滞在目的はなんですか?
Sato: This is a business trip. I have some business partner in London.
これは出張です。ロンドンにいくつかの取引先がいます。
Immigration officer: How long are you staying?
どれくらい滞在しますか?
Sato: I am staying here for 4 days. Then I will move to Paris.
ここには4日間います。それからパリに移動します。
Immigration officer: I bet that you know, but you need the E/D card before departing UK.
知っているだろうけど、イギリスを出国するときにE/Dカードが必要になります。
Sato: Really? I thought immigration control is not necessary when we are traveling EU countries.
本当に?EU諸国内を旅するときは、出入国管理は必要ではないと思っていました。
Immigration officer: That is under the Schengen Agreement countries. UK is not under this agreement.
それはシェンゲン協定国内のみです。イギリスはこの協定には入っていません。
Sato: That information is new to me. Thank you for telling me.
その情報は初めて聞きました。教えてくれてありがとうございます。
Immigration officer: You may go.
行っていいです。
佐藤さんは、EUとシェンゲン協定の関係を始めて知ったようです。
ポイント
では、会話ででてきた言い回しと単語をみてみましょう。
- Immigration officer 入国審査官
- What brought you here? 滞在目的はなんですか?
- business trip 出張
- business partner 取引先企業
- Schengen Agreement シェンゲン協定
- You may go 行っていいです
Embarkation & Disembarkation
出入国
単語ごとに調べると、Embarkation は乗船や搭乗を意味し、Disembarkation は陸揚げや上陸、下船を意味します。
飛行機の移動が主となる前、船での移動が主だった時に使われていた言葉が、そのまま使われています。
またこの Embarkation & Disembarkation card は略してE/D card とも呼ばれます。会話でも入国審査官が言っていましたね。
immigration control
出入国管理
この他にも、Passport control 出入国審査という言い方もあります。
イギリス⇔EU間はパスポートが必要
EU国内で移動するときは、パスポートによる出入国管理がない、というのは実は正確ではありません。
EUは欧州連合であり、1992年に欧州連合条約が調印された翌年、1993年に発足されました。
しかしシェンゲン協定とは景気効果を求めて、人、商品、サービスの移動を自由にするとして、1985年に調印されました。
残念ながら、この協定の中にイギリスは含まれていません。このため同EU内でも移動するときに、パスポートが必要となります。
入国審査時の応答
会話の中では入国審査官が、E/D card の必要性を説明していました。しかしこのような会話は実際ではあまりないでしょう。
一人に余分な時間をかけてしまうと、混んでしまいます。入国の時に出国の注意をするのは、余計な事と考えられます。
E/D card に滞在日数や滞在先、滞在理由を書いていても、口頭でこれらの事を聞かれることがあります。
会話では滞在日数と滞在理由を聞かれましたが、滞在先は以下のように聞かれることが多いです。
Where are you going to stay?
どこに滞在しますか。
色々聞かれ、返答に困ってしまうことも多いですが、5W1Hをしっかり聞き取れれば回答できるのではないでしょうか。それでも聞き取れない場合は、
Pardon
すみません
I beg your pardon
すみません、もう一度言ってもらえますか
と聞いてみて下さい。
日々変化する各国の入出国状況
EUに関する知識も、年々変化しています。
もともとEUの始まりは、第二次世界大戦後、1951年にフランスとドイツ間での石炭鉄鋼の共同市場化、EEC(欧州経済共同体)が始まりです。
この時にオランダ、ベルギー、ルクセンブルグも加わり、西ヨーロッパでの経済の自由化が始まりました。
ここからどんどん名前も性質も改良され、EUとなった現在では、2017年現在では28ヶ国が加盟する欧州連合となりました。
【イギリスのEU離脱】
そしてイギリスは2016年の国民投票でEU離脱が半数以上を超え、2017年3月末にEUに離脱を正式に通告しました。
普段行きなれた場所でも、常に状況は変化しています。知っている国だから、と確認を怠らず、到着直後に「知らなかった!」が無いよう入出国に関する知識の更新をしておきましょう。
それではまた、See You!